猫のひも状異物

暑さの厳しい8月ですが、皆さまお変わりなくお過ごしでしょうか?

先日、嘔吐、食欲不振、よだれの猫ちゃんが来院しました。
エコー検査では腸管や胃内にピーンと張る異物(赤矢印)&拡張した腸管(黄矢印)がみられ、ひも状異物を疑う所見が確認されました。

よじれた腸もみられたので、早めの手術を提案しました。
ひも状異物は無理に引っ張ると腸に穿孔を起こすことがあるため、腸にダメージがでないように何か所も切開して摘出することになります。
今回は胃を1か所、腸を2か所切開し摘出しました。 ひもはミシン糸でした。
二重三重になったり、一重だったり、たくさんの糸を取り出しました。


実は、舌の付け根にミシン糸が引っかかった状態で腸に流れており、口から肛門まで全体に糸が繋がっていました。

舌根部に糸

術後は順調に回復し元気に退院しました!

異物を誤食してしまうケースは犬猫ともにちょこちょこあります。
猫ちゃんの異物としては、ネズミのおもちゃ、ビニール、輪ゴム、ヒモ類などがみられます。
誤食した異物は胃腸の蠕動運動により出口(肛門)に向かいます。
運よく便から出てくればラッキーですが、腸に詰まってしまい閉塞を引き起こすことがあります。

異物が便から出ずに腸閉塞になってしまうと手術になりますので、どの異物も厄介ではありますが、その中でもヒモは怖いです。
紐や糸で遊んでいるうちにザラザラの舌に引っかかり、取ろうとして口をくちゃくちゃしているうちに飲み込んでしまいます。
ヒモの片側がどこかで引っかかってしまうといつまで経っても出口に到達できませんが、胃腸の蠕動運動により出口に近づけようします。
腸を引き寄せ合い血行障害をおこし、腸の壊死や穿孔を引き起こしてしまうため、腸閉塞は命にかかわる疾患です。

異物を食べちゃう子はまた食べてしまうことがあるので、環境整備が大事ですね。

*当院のお盆休み* 
8/11(月)~8/15(木)の5日間になります。
お薬、フード、フィラリア予防、ノミダニ予防など継続して服用されている方はお薬切れがないようにお気をつけ下さい。


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さとこクリニック
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